2002/5/6更新

 四季桜前社長今井源一郎は、昭和58年4月、45歳で生涯を終えました。まさに酒造りにかけた生涯でした。自分の天命を承知し、自分亡き後、自分の目指す酒造りをして欲しいと多くの書き物を残して逝きました。私達は、これを蔵元信条として四季桜造りに取り組んでいます。
趣味の雑誌『酒』(昭和57年10号・11月号)で作家 小堺 昭三氏により、今井源一郎は一盃の酒魂として取り上げて頂きました。
一盃の酒魂・今井源一郎の日本酒への思いをご紹介し、皆様に酒造りの妙を感じて頂ければ幸いです。

朝日新聞 掲載 昭和49年3月5日

『私、余裕がないものですから、寝てもさめても、酒ばかり頭にこびりついていまして、どうしたらコクのある、香りのある、飲み口のいい酒が出来るか、もうそればかりでして。ハイ』
『日本酒っていうのは、生き物でしてね。これ、手を抜いては駄目なんですよ。ところが近頃の酒は、手抜きが多くなりました。ウチ?もう出来る限り手を加えているんです。機械化するところは、もちろん機械化しましたが、それ以外は出来るだけ小まめに手を加えてやっています』


下野新聞 投稿 昭和50年1月3日

 『醸して造る日本酒は、まごころが酒に通じなければなりません。そこには肉眼では見えない清酒酵母や無数の微生物を相手に、日夜酒造りに呻吟する蔵人達の生命がこもり、時には科学を超越した官能の裏づけによる高度な技術が、日本酒の品位を醸し出します。我が国の固有産業である酒造業界の隆盛は、風雅な気品を有し、五味豊かな日本酒を愛飲者に供すことです。日本酒は、日本人の心の郷愁でありたいものです』


『全国清酒協議会で優勝』 下野新聞 取材 昭和52年6月1日

 『やっと念願の日本一になれました。県代表に選ばれて全国大会までの一ヶ月のトレーニングが実を結んだ訳ですよ。気力と体力を整えるため合気道を取り入れ、酒も控えました。精進すれば、酒は嘘をつかないものなんですねぇ』

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日本醸界新聞 投稿 昭和55年9月26日

 『私たちの育ったこの大地日本で、この民族の華である日本酒、世界でもまれにみる麹菌と酵母菌といった二つの微生物の並行複発酵によってアルコールの醸出をはかる日本酒が、加えて我々の主食であり、五穀の王であるお米から醸された日本酒、これぞ、まさしく天の美禄です。
 身近にある良きもの…おふくろさんやお米、そして日本酒もその一つ。常に身近にあるためにそれゆえに見落としがちなもの…改めて真なる国酒の良さを再認識して頂きたいものです』


安永 道義様への手紙 昭和57年8月22日

 『癌は不思議な病ですね。祖父も、父も、そして私が悩まされているのに憎む事が出来ないのです。癌は自己改造と、人間完成に非常に役に立っていると思われるのです』
『癌宣告は、人生の終着駅ではない。それは、長い人生途上の短い終止符にすぎないのだ。そう思って、この大切な人生の休み時間に、過去の人生の総点検をなし、次なる出発への準備としましょう』
『健康で人間らしい人生観に裏付けられた強固な性格こそ、癌闘病生活に最も重要な武器なのだから。要は己の自覚の問題であるのです。気分を明るく持とう。決して諦めまい、生きることを』
『七転び八起きなどと決め付けず、転んだら又起きればいいと己に聞かせて手術室に向かいましたが、老母のこと、長男がまだ小学6年生であることが気がかりで、一生懸命生きようと念じ続けて参りました次第です』

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実弟・菊地 徹専務への手紙 昭和57年11月16日

 『酒造りは、本当に不思議なものです。1mmの何万分の1の酵母が寄り集まって、1800kgの原料米を持ち上げドラマを演出するのです。このことは夜中にあるのですが、時たま朝夕に実現することもあります。
酵母菌は暗いところで活気を出す性質をもっています。昼間、タンクが吸収した温もりが夜になってタンクの内部に伝わり、闇が重なって酵母たちのダンスパーティが催されるのです。私には夜、星空を仰ぐよりこのドラマを見つめているほうが心が安らぎ、また落ちつきもしました』


昭和57年11月25日

四季桜の皆さんへ
『検査の為、病院に入ります。常々私が話しておりますことを守り、どうか力を会わせて立派な酒を造り、販売して下さい。お願いします。』



(昭和58年4月16日 朝日新聞掲載)

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『たとえ小さな盃の中の酒でも、造る人の心がこもっているならば、味わいは無限です』
これは酒造りに情熱を燃やした今井源一郎前社長が昭和58年、45歳で亡くなる半年前に話した言葉です。
当蔵では、この言葉をモットーとして四季桜造りに取り組んでいます。


宇都宮市高松 祐一 様(版画)
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宇都宮市高松 祐一 様
平成8年3月 花神社刊 高松祐一第三詩集 『櫻』

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